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 2006年の4月に放送を開始したテレビ朝日系の人気刑事ドラマ、「警視庁捜査一課9係」が今年記念の10周年を迎えました。アニバーサリーイヤーを記念して発売されたのがこのアニバーサリーブックです。

警視庁捜査一課9係 アニバーサリーブック (NIKKO MOOK)

産経新聞出版 (2015-06-03)
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 実はこの「9係」、去年もアニバーサリーイヤーだったんです。普通9周年は特別祝う年でもないのですが、そこは「9係」ということで、スピンオフドラマやスペシャルドラマの放送などたっぷりと盛り上げていただきました。2年連続のアニバーサリーイヤーとなった今年はどうするんだろう・・・と勝手にネタ切れの心配をしていたのですが、今年も盛り上げていただきました。待望、感涙のアニバーサリーブックが発売です!



走り続けて10年



 今年で10年目を迎えた9係、何といってもすごいのは、「レギュラーキャストが変わらない」ということだと思います。第4シリーズで監察医役の原沙知絵さんが加入したという変化はあるのですが、9係の6人の刑事たちは10年間ずっと同じメンバーです。水曜9時の人気刑事ドラマと言えば「相棒」がありますが、相棒は右京さんの相棒役が交代しています。変わらないキャストと抜群のチームワーク、これがあってこその9係です。

「個々それぞれが、俳優として相手を認めている、大人の俳優同士の連帯感みたいなものができている気がします。吹越(満さん)が言ってました。よその現場では相手の俳優さんに対して注文付けたり、これやってみない?とは言わないものだけれど、うちのチームでは平気でみんな言い合う、って。それは、お互い尊重しあってなければできないことですよね。それが、非情にいい結果を出していると思います」(渡瀬恒彦さんインタビューより)



 キャストの変化がない9係ですが、実は1度番組サイドから「ひっかけ」がありました。津田寛治さん演じる村瀬刑事が、9係を離れて14係の係長になったことがあるのです(season6 第1話 「消された女刑事」)。1人欠けた9係・・・放送中は違和感が半端なかったです。「違う!これは9係じゃない!!」とわめいておりました 笑。村瀬刑事はその回の終わりにめでたく9係に復帰しました。「メンバーが1人でも欠けたら9係が9係でなくなる」、そんなことを改めて確認する回だったのでしょうか。

 では、アニバーサリーブックの中身を見ていきたいと思います。

路線変更の秘密



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 アニバーサリーブックは、セット探訪に始まり、キャストグラビア&インタビュー、撮影現場リポート、プロデューサー対談などと続いていきます。後半は全話リストに台本ギャラリー、そして書き下ろしスピンオフ小説など内容盛りだくさんです。

 そんな中、気になったのは9係を生み出した二人のプロデューサーが語る「9係秘話」でした。テレビ朝日の松本基弘ゼネラルプロデューサーと東映の金丸哲也プロデューサーの対談です。

 「変わらない9係」を紹介してきましたが、実は9係にも大きな転換点がありました。2009年の第4シリーズです。このシーズンから、雰囲気がガラッと変わりました。これまでの連続ドラマテイストのコミカル路線から、wikipediaの言葉を借りれば、「『相棒』を髣髴とさせるシリアス路線」に路線を変更したのです。

 雰囲気が変わった後の9係も大好きですが、やはり9係は相棒とは違うタイプのドラマにしてほしい!と個人的に思っていたので、この路線変更は気になっていました。今回それに触れられていたので、興味深く読ませていただきました。

松本 「実はこれまで視聴率が不安定だったこともあって「これが最後だぞ、ダメだったら次はないからな」と上から言われていまして。終わってしまうのが一番マズイと思ったので、ミステリー&サスペンスタッチにガラッと変えました」

金丸 「続けるためにね」

松本 「僕たちが大好きな連続ドラマの側面が足を引っ張っているとわかったので、ここは思い切って涙を飲んで切り捨てて、1話完結の事件もの、しかも係長に寄せて見やすくするというふうに、方針転換を決めました。ここで意地を張って連続ドラマ風を続けたら、視聴率が下がることはわかりきっていたのでね」



 視聴率!!ほとんど気にしたことがありませんでした。そうですね、ドラマは慈善事業ではないですからね・・・。かなり生々しい事情はあったようですが、ここでの勇気ある方針転換が9係を10年続く長寿シリーズに育ててくれました。

 1話完結もの、というのはとても大事な要素だと思います。テレビの視聴習慣はだいぶ変わってきていて、毎週同じ時間にテレビの前に座ってもらう、ということはかなり難しくなっています。連続ドラマ風の9係はとても面白かったのですが、初めて見た方からすれば「何のこっちゃ」という感じだったかもしれません。多くの人に見てもらえる点では、1話完結のスタイルがよいのではないでしょうか。

 もちろん、1話完結になってもキャラクターの掛け合いや随所に仕込まれる「小ネタ」は健在です。第3シリーズまでに築いた作品の世界観をベースにしながら、1話ごとの事件のクオリティーを高めていった・・・この路線変更は大成功だったのではないでしょうか。視聴率もグンと上がったみたいです。

謙虚な姿勢で



 さて、そんな9係は7月1日に最終回が放送されます!(ずっとこれが言いたかったのです・・・)毎年あっという間の最終回です。アニバーサリーブックを見ると、「10年間の大きな区切りとなる最終話」だそうです。9係の最終回はわりとあっさりしていることが多いのですが、「相棒」みたいなことはせずに、いつも通りの9係で終わっていただけたらと思います。

松本 たまたまテレビをつけて、「ああ、なんとなく面白かったな」と思ったらちょっと記憶に留めておいてもらって、また数週間後にたまたま見て、「またやってる、意外といいね」でもいいわけですよ。それで、「やっぱり面白いじゃん!」ってなったら、ひょっとしたら次のクールからは毎週見てくれるかもしれない。そのくらい控えめに考えなきゃいけなかったんだって。「意外に面白い」というのが、いまの僕たちの、「9係」の、”心のモットー”です。テーマといってもいいかもしれませんね。


 ここがアニバーサリーブックの個人的ハイライトです。松本プロデューサー、なんていいことを・・・(T_T)。この謙虚な姿勢で、これからもやっていただけたら、と思います。「たまたま」でいいので、多くの人が最終回を見てくださいますように・・・。

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0周年おめでとうございます!9係、区切りのアニバーサリーブック

 最終回の予告にあった係長のセリフ、「キミ、9係に来て10年だよ」にジーンと来てしまいました。その10年間、ずっと見てきたわけですからね・・・。最終回は余韻に浸りながら見ます。
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  •   30, 2015 00:01