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ブックレビューFLASH #1 (「月の上の観覧車」 ほか)

 20, 2015 22:30
 こんにちは、おともだちパンチです。今日は新コーナー、「ブックレビューFLASH」をお送りいたします。これまで4作品のレビューを書いてきましたが、読み返してみるとちょっと「長い」・・・ (^_^;)。 読むのが億劫で、すぐに帰ってしまわれる方もいますよね。そこで、新たに始めるのがこの「ブックレビューFLASH」。読書記録サイト「読書メーター」に登録した本の中から選りすぐりの本たちをご紹介していきます。コメントは私が「読書メーター」に投稿したものの転載です。1回につき3冊紹介していこうと思います。それでは、第1回目の紹介、スタートです。

★ 月の上の観覧車 / 荻原浩さん

月の上の観覧車 (新潮文庫)月の上の観覧車 (新潮文庫)
(2014/02/28)
荻原 浩

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現実と回想を絶妙に織り交ぜた時間軸の展開が大変印象に残りました。何気なく読んでいるとその区別がつかなくなりそうでした。そんな現実と回想の混濁から、過去を抱えていきる主人公たちの重い心が伝わってきて、大きな「喪失」が浮かび上がってきます。パクパクと無気力に呼吸する金魚に喪失を抱えた男の姿を重ねた「金魚」、それに、一年に一度しか会えない寂しさ、距離の遠さを匂わせながら、最後には親子の絆を見せてくれた「チョコチップミントをダブルで」は特に秀作でした。時を戻せない、そんな事実が悲しいスパイスになっています。

★ TOKYOオリンピック物語 / 野地秩嘉さん

TOKYOオリンピック物語 (小学館文庫)TOKYOオリンピック物語 (小学館文庫)
(2013/10/08)
野地 秩嘉

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「金じゃない、オレは日本のために引き受けた」 東京オリンピックの「脇役」たちにスポットを当てたノンフィクション。取材、執筆に15年を要した大作です。冒頭の引用はグラフィックデザイナーの亀倉雄策の言葉。オリンピック当時の日本人の心意気が、この言葉に集約されている気がします。敗戦から立ち直り、オリンピックという努力目標の前に一丸となった日本人。東京オリンピックは現在の日本の礎と言っても良いかもしれません。面白かったのは、5章と6章。市川崑監督の映画に対する姿勢、ピクトグラムの発祥について、珠玉のエピソードです。

★ 民王 / 池井戸潤さん

民王民王
(2010/05/25)
池井戸 潤

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総理大臣の麻生太、もとい武藤泰山と、その息子翔の体が入れ替わるコメディー。池井戸潤さんといえば息が詰まるような重厚なストーリーが傑作ですが、今作は痛快ドタバタストーリーです。しかし、そんな中にも政治の堕落状況や新薬承認問題など、シリアスな要素が絡んできます。実際にあった政治上の出来事を上手く作品に取り入れる構成が面白いです。息子の翔が紛れもない「正論」を国会で主張する場面は、胸がスカッとします。池井戸さん必殺の「半沢エキス」ですね。「国家予算よりバナナが大事な」政治家さんたちにも、ぜひ一読を進めたいです。

 3冊紹介してみましたが、いかがでしたか。1冊目の「月の上の観覧車」は特におすすめです。荻原浩さんの作品は初めて読んだのですが、もの哀しさを漂わせた世界観がとても好きでした。短編小説の評価が高い作家さんだそうです。他の作品もぜひ読んでみたいですね。

 おしまいに、今日もうれしいニュース。昨日も触れたにほんブログ村の「注目記事ランキング」で、私の記事が書評部門第3位を獲得していました(!!)。昨日は7位でしたから、さらに順位を上げて初めてのトップ3です。ブログを始めたばかりで、何もかも初めて尽くし・・・。サイトを訪問してくださった方、本当にありがとうございます。以上、おともだちパンチでした。
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  •   20, 2015 22:30