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  • ○○社会学 第4回 「ハラスメントの社会学」

     08, 2015 21:58
    LogoFactory_convert_20150406020447.jpgLogoFactory_convert_20150512211739.jpg 

     数々のハラスメントが最近叫ばれていることは、多くの方が実感として感じていると思います。セクハラやパワハラ、モラハラ、マタハラ、アカハラ・・・このあたりならもはや説明不用だと思います。では、こちらはどうですか?「スメハラ」「ブラハラ」「パーハラ」-。

     列挙しているだけで気が滅入ってしまいそうな、今日はそんな「ハラスメント」の話題です。



    s_f_floral400.jpgラスメントの定義に潜むもの

     ハラスメントは要するに「嫌がらせ、いじめ」に関すること全般ですが、ここではもう少し詳しく定義を決めておこうと思います。なぜなら、ここで決めた定義が後で大事になってくるからです。ここでは、大阪歯科大学のページにある定義を借用します。

    ハラスメント(Harassment)とはいろいろな場面での『嫌がらせ、いじめ』を言います。その種類は様々ですが、他者に対する発言・行動等が本人の意図には関係なく、相手を不快にさせたり、尊厳を傷つけたり、不利益を与えたり、脅威を与えることを指します。

     ハラスメントの定義 (大阪歯科大学)

     ここを読んだときに気になる箇所があるとすれば、「本人の意図には関係なく」の部分だと思います。たしかに、本人には全く自覚がなくても、異性の尊厳を傷付けるようなセクハラ発言があったり、立場を使って相手を追いつめるパワハラ行為があったりします。意識がない分、それは悪質なものだと思います。「本人の意図には関係なく」の部分はここで大事になってくるのでしょう。

     では、こんな場合はどうでしょう。冒頭で、「スメハラ」「ブラハラ」「パーハラ」という3つのハラスメントを紹介しました。これはどういったハラスメントなのでしょうか。

    ブラハラ・・・ブラッドタイプ・ハラスメント、つまり「血液型の嫌がらせ」。根拠もなく、血液型で人を判断するような行為。「やっぱりB型ってマイペースだよね」など。

    パーハラ・・・パーソナル・ハラスメント、つまり「パーソナル(個人的な面)での嫌がらせ」。容姿や趣味、性格などありとあらゆること。

     言った本人の意図とは関係なく、です。たしかに、言われた側が苦痛を受けているのなら、それは見逃せない問題なのかもしれません。では、もう1つ残っている「スメハラ」です。

    スメハラ・・・スメル・ハラスメント、つまり「匂いの嫌がらせ」。口臭、体臭、加齢臭、香水の匂いなどなど。要するに、個人が「不快だ」と判断した匂いすべて。

     このあたりまでくると、私も確信します。「自分も、どこかでハラスメントの『加害者』になっている」ということを。

     本人の意図とは関係なく。裏を返せば、行為を受けた側が、「精神的苦痛を受けたと主張すれば」ハラスメントは成立してしまう可能性があります。本当に問題にすべき深刻ないやがらせ行為と、単なる「思い込み」「わがまま」「私怨」による訴えがハラスメントという一括りにされてしまう。○○ハラスメントが大量に生み出される問題点の1つにこのことがありそうです。

     「あなたの匂いは不快なんです。スメルハラスメントです」

     人に不快な匂いを発することがないように気を付けてはいますが、こんな風に言われるかもしれません。私はこれを言われたら精神的苦痛を受けると思います。ん?「精神的苦痛を受けたとすれば」ハラスメント??ということは、この発言もハラスメントになってしまいます。スメルハラスメント・ハラスメント―。何だかややこしいことになってきました。

    s_f_floral410_convert_20150615002525.jpgぜハラスメントは量産されるのか

     こんなにもハラスメントが量産される時代。私は、その原因の1つにライフスタイルと価値観の変化・多様化があると思います。

    「上から目線」の時代 (講談社現代新書)
    冷泉 彰彦
    講談社
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     ハラスメントについて書かれたものではないのですが、1冊の本を紹介したいと思います。「上から目線」という概念が生まれたのは実はここ最近で、どうしてそんな概念が生まれたのかを説明している部分が興味深かったです。簡単にいうと、様々なことが多様化して、「目線の変化」が生じたから、「上から目線」という言葉が生まれた、ということになります。

    共通の価値観が生きていた時代には、様々な局面で会話のテンプレートが使えたのである。(中略)現代の日本ではそのテンプレートが失われたことで、空気も生まれにくくなっているのである。



     これまでの日本の社会だと、生まれてから死ぬまで、人生には一本のレールがありました。「そうであるのが当たり前」の人生です。子どもに両親がいるのは当たり前。子どもを両親で育てるのは当たり前。孫がいるのは当たり前。家族に介護してもらえるのは当たり前。それらが、現在では崩れ、多様化してしまったのです。

     親が片方、または両方いない子どもは珍しくなくなりました。昔は考えられなかったシングルマザーも今はたくさんいます。

     これまでの「テンプレート」が崩れ、ズレが生じて、ハラスメントにつながる可能性があります。

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     保育園で毎年恒例だった「父の日」の行事が取りやめられた―そんなニュースを見ました。理由は簡単、「父親のいない子供が増えたため、配慮した」からです。たしかに、お父さんのいない子どもにとっての「父の日」、お母さんのいない子どもにとっての「母の日」は精神的苦痛を与えるものになるかもしれません。ここで出ました、「精神的苦痛」。

     父親や母親の話をすることは、父親や母親がいない人にとって苦痛だから、ハラスメントでしょうか。
     子供の話をすることは、子供を産みたくても産めない人にとって苦痛だから、ハラスメントでしょうか。
     孫の自慢をすることは、孫が欲しくてもいない人にとって苦痛だから、ハラスメントでしょうか。

     「そんなことを言い出したらきりがない」と思われる人もいるかもしれません。ですが、「父の日」や「母の日」の行事を取りやめなくてはいけないほど、時代は複雑で難しくなりました。

     昔は、誰もが同じような人生を過ごし、共通の価値観を持っていた → ライフスタイルが多様化して、それに合わせて価値観も多様化した → 価値観の違いから、精神的苦痛を受ける人が増えた → 様々な「ハラスメント」が生じた、様々な「配慮」が必要になった
     
     ハラスメントで一番よく言われるのは「セクハラ」でしょうか。実は、セクハラ行為時代は昔もありました。そこに「セクハラ」という言葉が与えられて初めて、その行為が問題になりました。昔は女性の立場は低い、という(残念ですが)共通の価値観があったので、問題は明るみに出ませんでした。その価値観が崩れていくことで、「ハラスメント」が生まれた、という1つの例だと思います。

     そのうち、「ファザーハラスメント」「マザーハラスメント」などと言われるようになるかもしれません。今後も複雑な「配慮」は増えていくと思いますし、それに合わせてハラスメントの種類も増えていくと思います。

    (個人的な意見ですが、「父の日」や「母の日」自体、もはやなくすべきだと思っています。今後ひとり親世帯がますます増加すれば、配慮が追いつかないからです。でも、子どもには両親がいる、それが当たり前でなくなるというのは恐ろしいことですね)

    s_f_floral400.jpgラスメントのごった煮
     
     ハラスメントには本当に深刻な問題とそうでないものがある、と上に書きました。このことによって、「深刻な問題の深刻さが見失われてしまう」という問題もあります。何でもかんでも「ハラスメント」に括られてしまう中で、人格を否定し、人権を踏みにじるような本当にひどい行為がそこに埋もれてしまうのです。

     最近は、「オワハラ」なんて言葉も生まれているそうです。これは「就職活動終わらせろハラスメント」の略です。企業が学生の就職活動に干渉し、圧力をかけるような行為には問題があると思いますが、あろうことか、この行為を数ある「ハラスメントシリーズ」に加えようとしています。問題の深刻さが伝わらず、「オワハラ」という言葉だけが広まっていきそうです。問題の深刻さを伝える別の言葉はないのでしょうか。

     これまでは「○○ハラスメント」の○○には英語が入ったのですが、今回は「就職活動終わらせろハラスメント」だそうです。もはや何でもあり、ハラスメントのごった煮です。

     様々な「配慮」が必要になった、それは仕方のないことだと思います。しかし、そのことが様々な「ハラスメント」を生み出し、人々がヒステリックにハラスメントを叫ぶ。こちらはどうでしょうか。ハラスメントが量産され、互いに警戒しあい、傷付き、傷付けられ、息苦しくなって・・・。

     違うことを理解しようとする、認めようとする、受け入れようとする。そんなことはせずに。

    LogoFactory+(3)_convert_20150406175408.jpg
    「ハラスメント量産時代」-。本当に深刻な問題に気付き、区別してほしい。 

     本当に深刻な問題だと思ったら、「ハラスメント」で括らずに、別の言葉で伝えられるように努力しようと思います。そのことで本当に苦しんでいる人に気付くためにも。



    こちらのページも参考にしました

    あなたは幾つ知ってる?全30種類の○○ハラスメント一覧
     30種類!知らないものもたくさんあり、ビックリしました。ぜひのぞいてみてください。

    「相手から精神的苦痛を受けたらハラスメント」という定義の恐ろしさ  (BLOGOS)
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    •   08, 2015 21:58
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