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「好きな作家は誰ですか」という質問の魔性

 27, 2015 00:16
 こんにちは、おともだちパンチです。今日はブックレビューはお休みして、読書について書き綴っていくコラムのコーナーです。よかったら少しだけおつきあいください。

「好きな作家は誰ですか」という質問の魔性


 読書が好きな私ですが、人前で「読書が好き」というのを少しためらってしまうことがあります。「読書が好き」というと、こんな質問をされることがあるからです。

 一番好きな作品は何ですか?

 好きな作家は誰ですか?

 極めて一般的で常識的な質問かと思います。では、どうしてこの質問をされるのが嫌なのか。1つずつ見ていきたいと思います。
 まず前者。これは簡単。決められないからです。今まで読んだ作品の中には、素晴らしい作品がたくさんあります。そして、まだまだ読んでいない作品がたくさんあるということ、これからも素晴らしい作品がたくさん生み出されていくということ、これも読書の魅力かと思います。そんな中で、「一番好きな作品を」というのは難しい質問です。とても即断はできません。仮に答えるにしても、しばらく頭をひねった挙句に、なんとか絞り出して・・・という答え方になるかと思います。この質問、結構苦しいところがあるのです。

 素晴らしい本がたくさんあるから迷う、ということでこれはまだ幸せな悩みだと思います。問題は後者。「好きな作家は誰ですか?」 この質問が困る理由、それは「打算が働いてしまうから」。ここが自分の愚かさというか、浅ましさなのです・・・。

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 読書メーターやネットの投稿で、こんな声を見つけたことがあります。

好きな作家で「東野圭吾」と答えたら本を読まない人間と思われそう



池井戸潤さんが好きだったのに、あまりにも有名になったから好きな作家として答えづらくなった



自分の好きな作家はほとんど無名で、答えても困った顔をされるから答えるのに困る



 そうです、これが「打算」です。私も大好きな作家が4,5人いて、その方々が「1位タイ」で並んでいるような状態なのですが、好きな作家をと言われて答えるとき、はてどの名前を出そうか、と考えてしまうことがあります。そんな自分がとても嫌になります。

 「好きな作家は誰ですか?」 何気ないこの質問ですが、純粋に答えられる方はそう多くないと思います。作家には、イメージがあり、大衆受けがあり、そして知名度があり・・・。「その作家がどう思われているか」「その作家を答えた自分はどう思われるのか」そして、「自分は、どう思われたいのか」。そんな風に打算を働かせて、読書というものが「利用」されてしまう。そこに、この質問の魔性があります。言うまでもなく、「自分の読みたい本を、読みたいだけ読む」
というのは読書の絶対領域。そこを汚すわけにはいきません。

「本当は女子にこんな文庫を読んでほしいのだフェア」

 今年の始め、ある書店がこんな企画を打ち出して、猛烈な批判を浴びました。企画はあっという間に立ち消えです(リンク先参照)。なぜこの企画が叩かれたのか、そこには上に書いたような「打算」が絡んでくるからです。

 本を愛する人たちはちゃんと分かっています。そして、私もまた、忘れないでおきたい。レビューが「押しつけ」にならないように。読書が「ファッション」にならないように。そして、明日も好きな本が好きなだけ読めますように。

 最後まで読んでくれた方、ありがとうございます。レビューも書いていますので(まだ6作ですが)、よかったらカテゴリの「ブックレビュー」の方からのぞいていただいて・・・なんてちゃっかり宣伝しちゃったりして。
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  •   27, 2015 00:16