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  • 星新一のショートショート特集 (前編)

     02, 2015 18:40
    ブックレビュープレミアム

     

     以前も紹介した「読書あるあるbot」さんのツイートから始めさせていただきました。これは、かなり多くの人が共感できる「あるある」だと思います。小中学校の時、学級文庫で星新一さんのショートショートに夢中になった、という方は多いのではないでしょうか。私もそうでした。夢中になって全巻を読破して、飽きたらずに何周も読んでいた記憶があります。

     今日から2回シリーズで、そんな星新一さんのショートショートを特集します。今回取り上げる本は、「新潮文庫の100冊」にも選ばれている代表作、「ボッコちゃん」です。

    ボッコちゃん
    ボッコちゃん
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    新潮社 (2013-03-01)
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     「ボッコちゃん」には、星さんが自ら厳選したショートショート50編が収録されています。傑作ぞろいのこの1冊から、さらに私がおすすめする作品を選んで紹介していこうと思います。



    あなたも、5分で夢中になれる



     50作収録されているショートショートは、いずれも5分以内で読めるようなものばかりです。すきま時間を使うなどして、忙しい方でも楽しめると思います。実際、活字の本はさっぱりダメでも星新一さんのショートショートは大好き、という方もおられると思います。私の同級生にもそういう人がいたので何だかなつかしくなりました。

     5分で読めるような短い作品の中に、あっと驚くオチが待っている―これが、多くの人を夢中にさせる要因だと思います。時にはユーモラスに、時にはブラックに。星さんが見せる驚きのオチの数々・・・その魅力は語り尽くせません。

     地球にやってくる宇宙船
     家に押しかける強盗
     奇妙な発明をする博士
     記憶喪失になった男
     エス氏

     星さんの作品を知っておられる方なら、「そうそうそれそれ!」という感じだと思います。星さんの作品によく出てくる設定を並べてみました。どこか近未来的で、人類への皮肉で溢れている・・・そんな独特の世界観です。

     代表作「ボッコちゃん」に収録されている50編から、私が特に好きだと思った作品ベスト5を紹介したいと思います。今回は5位と4位、そして次回に1位から3位の紹介です。

    berry_l_convert_20150615020047.png 「ボッコちゃん」

    「ボッコちゃん」

    人のロボットに恋する青年―その結末は・・・?
    ユーモア度 ★★★☆☆
    ブラック度   ★★★★★
    オチの驚き ★★★☆☆

     第5位に選んだのは、タイトルにもなっている作品、「ボッコちゃん」です。あるバーのマスターが、道楽で美人のロボット、「ボッコちゃん」を作ります。ロボットは美人ですが頭の中はからっぽです。それでもお客にバレることはありませんでした。何しろ美人のロボットですから、つんとしてそっけない受け答えだけしていればよいのです。

     そんな中、ある青年がボッコちゃんに恋をしました。ボッコちゃんの元に通い詰める青年。しかし、ボッコちゃんはそっけない受け答えしかしてくれません。ついにのうち・・・

    「悲しいかい」
    「悲しいわ」
    「本当はそうじゃないんだろう」
    「本当はそうじゃないの」
    「きみぐらい冷たい人はいないね」
    「あたしぐらい冷たい人はいないの」
    「殺してやろうか」
    「殺してちょうだい」



     ・・・!? このあと、話はどうなってしまうのでしょうか?

     5位に選んだわけ

     簡単な受け答えをしないロボットと、そんなことを知らない人間との会話が大変面白く、またテンポもよいです。そしてなんといっても、背筋が冷たくなるようなオチが素晴らしいです。なんとも言えない余韻が広がります。

    berry_l_convert_20150615020047.png 「ゆきとどいた生活」

    「ゆきとどいた生活」

    らゆるものが満たされた生活―その裏にあった盲点!
    ユーモア度 ★★☆☆☆
    ブラック度   ★★★★
    オチの驚き ★★★★★

    ゆきとどいた生活
     
     これは本当によくまとまった傑作です。文明が進んでどこまでも便利になった世界・・・その「行き過ぎ」を教えてくれる驚きのラストが待ち構えています。

     あるアパートの72階に、テール氏という男性が住んでいました。そこは文明が発展し、あらゆるものが行き届いた世界。目覚ましがなっても起きないテール氏を、機械が抱き起してくれ、風呂、ひげそり、着替え、朝食とあらゆることを準備してくれます。なんと、出勤まで機械が全てやってくれるのでした。

    「さあ、きょうもお元気に、いってらっしゃいませ。掃除と整理はお留守のあいだに、いつもの通りにやっておきますから」

    という<声>とともに、繭型の乗り物をドアをしめ、そばのボタンを押した。



     自分の力を一切使わず、会社まで出勤してきたテール氏。しかし、彼が会社に到着すると・・・?

     4位に選んだわけ

     便利になりすぎた生活の盲点を鋭く突いたオチが見事で、全体的にもムダな部分がないのが素晴らしいです。発展する文明への皮肉も大いに込められているのだろうと思います。




     次回は1位から3位を紹介します。傑作ぞろいのこの1冊の中から私がどの作品を1位に選ぶのか、星新一さんの作品が好きな方はぜひ予想してみてください。後編もお楽しみに!
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    星新一,



    •   02, 2015 18:40
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