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読書感想文もコピペ&代行の時代に!?

 13, 2015 23:59
コラム

 前回の、「注文の多い料理店の読書感想文を書こう!」に引き続き、読書感想文に関する話題です。

 内容は、タイトルにある通りです。先日から読書感想文関連の検索が増えていることは何度も書いていますが、その検索ワードの中には少し「いかがわしいもの」もあったのです。気になった私が少し検索をかけてみたところ、出てくるわ出てくるわ・・・。改めて思い返せば、小学生もスマホを持つような時代です。宿題の取り組み方が変わるのも自然なことなのですね・・・。

 ジェネレーションギャップと知ってしまった情報のひどさに少しくらくらとしているのですが、今日はこの「読書感想文のコピペ&代行問題」を取り上げたいと思います。



cofee_l_convert_20150615020133.pngピペも市民権!?

 コピペ(コピー・アンド・ペースト)は、ある文書をコピーして、別の場所に貼り付け(ペースト)する行為です。大学生の方は、特に馴染みがある言葉ではないでしょうか。少なくとも私は、最近まで続いていた試験期間中に耳にタコができるほど聞いた言葉です。そう、大学生がレポートで他人の著作をコピペする行為がかなり横行し、問題になっています。

 コピペは悪質な不正行為です。他人の書いた文章を自分が書いたものであると見せかけているわけで、盗用した文章の著者にはもちろんですが、まじめにレポートを書いている他の学生に対しても背信行為です。コピペがばれた時の処分は、大学にもよりますがだいぶ厳しいようですね。その学期に取得したすべての単位をはく奪、などということは普通にありえます。

 コピペに関してはかなり厳しいことを言われていて、何があっても絶対に踏み越えてはいけない領域、といったような感覚でした。ですから、読書感想文でコピペが横行している実態を知ったときはかなりの衝撃がありました。

 ばれないコピペのやり方を教えます!といったサイトはまだかわいいほうで、著作権を放棄してどうぞコピペしてください、というスタンスのサイトもあれば、読書感想文をコピペしたいのですが、と堂々と質問している人もいたりとまさに「無法地帯」です。コピペがダメというのは実は私の勘違いで、実はコピペは市民権を得ているの?などと思ってしまいました。

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 コピペは「自分の頭を使わず、手だけ動かす」行為と言えそうですが、上には上がいます。「自分の頭は使わず、手も動かさない行為」、それが「宿題代行」です。・・・これは、お金を払って丸投げということですね。以前からその存在を少しは知っていたのですが、料金設定やシステムなど、詳しく見ているとこれが1つの「ビジネス」として成り立っていることがよくわかり、なんとも言えない気持ちになります。

 これってあり・・・?夏休み前に「宿題代行」の利用者が相次いでいる(NAVERまとめ)

 グチグチと書いてきましたが、今日の記事の目的は、コピペや代行といった不正を糾弾することではありません。今さら、「それはダメだ」ということを記事にして上げるのは空しいことだと思います。やはり、「どうしてそれをやってしまうのか」ということを考えたいものです。考えていると、私の頭に浮かんだことは2つありました。

そもそも、「宿題」は必要なのか?

②読書感想文を書かず、コピペや代行に流れてしまうのは、「読書感想文の書き方が分からない」という点に問題があるのではないか?
 
cofee_l_convert_20150615020133.pngもそも宿題論

 そもそも宿題は必要なのか?・・・などとずいぶん大胆なことを書きました。こんなことを思ったのにはちゃんとわけがあって、「宿題をやらない人には2種類ある」ということを感じたからです。「宿題なんか、めんどくさいからやらないよ!」というのと、「宿題は必要ないからやりません」では同じ「やらない」という結果でも中身が違います。

 いろいろ見ていると、読書感想文は宿題の中でも特に「やる必要がない宿題」に分類されてしまうことが多いようでした。読書感想文などに労力は費やしていられない、ということでコピペや代行の出番となるのでしょうか。塾や中学受験の勉強に時間を割くために、必要のない学校の宿題を切り捨てるというパターンも多いようです。

 「やる必要がない」というのは、「めんどくさいからやらない」という理由よりも深刻なものをはらんでいることはなんとなく感じていただけると思います。

 こういう時、「宿題はやらなければいけないものなんだ!」と強く主張してくる人もいそうです。ですが、それでは何の解決にもなっていないと思います。実は私は「宿題が必要である」という考えにはどちらかといえば否定的で、もし「宿題は必要かどうか」というディベートがあれば、必要がないという立場のほうがやりやすいと思います(もちろん、必要であるという立場からもそれなりに主張できることはあると思います)。

 宿題が必要か必要でないか、ということは主題ではありません。問題はやはり、「宿題を必要ないと思っている人が、コピペなどで形だけとりつくろって宿題を出すということ」になると思います。

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 宿題を必要ないと思っている人が、説得力のある理由を用意したうえで、「宿題は必要ないと思うのでやりませんでした」、というのは私は「あり」だと思います。ですが、現実でそのように行動する人は多くないと思います。残念ながら、「必要ないとは思っているが形をとりつくろって出す」という人が多数ではないでしょうか。それは、宿題を出さなかった場合のペナルティーが分かっているからです。

 コピペは、むなしいです。これは今日私が一番言いたかったことでもあります。学生がコピペして提出したレポートを、教授は専用のソフトなどを使って見破ろうとします。学生は、見破られないように、文体を変えたり、文章の一部を改変したりと工夫をこらします。教授は、それでも見破ってやるとさらに目の色を変え・・・

 むなしいことだと思います。驚くくらい、何の生産性もありません。学生側も、教授側も、必死に無駄なことを積み重ねているように思えてきます。宿題を形だけとりつくろって出すというのもそれと同じことではないでしょうか。そうやって出された「自分がやってもいない宿題」とは、いったいなんなの?・・・などと思うと、むなしさが増します。

 必要ない、といいながら、形を取りつくろって出す。ある意味では、宿題に「屈服」し、「支配」されているとも考えることができます。たしかに宿題を出さないということのリスク・それによるペナルティーはとても大きいです。ですが、不正をするということのリスク、ペナルティーと比べると、どうでしょうか?

cofee_l_convert_20150615020133.png稿用紙の丸投げ?

 夏休みの宿題の嫌な思い出「読書感想文」がトップ!

 記事の見出しが目に入った時、思わずため息が出てしまいました。予想はしていたものの、「やっぱりそうなるのか・・・」という感じです。

1位は男女ともに、ダントツで「読書感想文」。

読書感想文が嫌だった理由として、回答者からは「何を書けばいいのか分からなかった」というコメントが目に付く。たいがいは「○○を読んで、思ったことを書きましょう!」というあいまいな指示だろうが、単に「面白かった」では感想文にならない。


 夏休みの宿題の嫌な思い出 「読書感想文」がトップ

 これまでは、宿題をコピペや代行で済ます、そんな「極悪人」がいるとでもいう風に書いてきました。しかし、実際はどうでしょう。読書感想文の場合、私は根っからの極悪人というよりも、「何を書けばいいか分からなくて、やむにやまれず・・・」という形でそういった手段に走った人が多いのではないか、と思います。

 人には得意不得意があります。私は読書感想文を書くのが大好きでしたが、自分の感覚を押し付けてその立場だけから記事を書くことはしたくありません。私が算数や数学に対してどうしようもない苦手意識を持っているのと同じで、「読書感想文だけはどうしても無理なんだ」という人もいる(というか、多い?)と思います。

 何を書けばよいかもわからず途方に暮れている人に、やり方も教えず、原稿用紙だけを丸投げしている状況があるとしたら、それはずさんな状況だと思いますし、先ほど書いた「宿題は必要なの?」という話とも結びついてきます(だからといって、コピペや代行という行為の擁護はできません。それをやっちゃうと「アウト」です、どんなへたくそな読書感想文よりも)。

 やり方がわからないという人に対しては、たとえそれがどれだけ綺麗ごとであろうとも、「教えてあげる」ことが答えです。そう簡単にはいかないと思いますし、労力もかかります。それでも、「教えてあげる」ことが答えです。そうでないと、宿題が完全に意味のないものになってしまいます。前回の記事は、そういった思いを込めて書きました。読書感想文関連の検索は本当に多いので、「やり方がわからない」という人からの需要はそれなりに多いのだと思っています。

 いろいろと書きましたが、今日のまとめです。

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正には、強い態度で臨みたいです。宿題を「意味のあるもの」にするために。

 わからないと困っている子供に、「やり方」を教えるのではなく、「コピペサイト」や「代行業者」を教える―そんなバカな大人にだけは絶対になりたくないと誓った今日でした。

 
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