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ぼっち論考 〔前編〕 「良い子悪い子便所飯」

 29, 2015 22:13
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 今日は新コーナー「ブックディスカッション」をお届けします。このコーナーは、1つのテーマを決め、関連した本を2冊紹介し、比較してみるというものです。第1回のテーマとして選んだのは「ぼっち」。・・・・・・・・・。なんともコメントのしづらいテーマではございますが、面白い本を読んだのでご紹介していきたいと思います。そして、このコーナーを担当してくれるのはこの2匹です!

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 この図書館のマスコットキャラになっています、ブック(左)とラブ(右)です。では、ここから先の進行は2匹にお任せしましょう。

前編 良い子悪い子便所飯

ブック  第1回目のテーマは「ぼっち」だって。何だかすごいテーマがぶっこまれてきたね・・・。

ラブ   えーっ、あたしは結構興味あるよ。「ぼっち」とか「リア充」とかね。早速こんな本を見つけてきたんだけど、見てみて!

なぜ若者はトイレで「ひとりランチ」をするのかなぜ若者はトイレで「ひとりランチ」をするのか
(2010/06/15)
和田秀樹

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 和田秀樹さん「なぜ若者はトイレで『ひとりランチ』をするのか」です。便所飯という行為の原因を考えながら、社会全体にも目を向けていてとても面白かったよ。

ブック  なんちゅーストレートなタイトル・・・。でも面白そうだね。大体、「便所飯」って実際は存在してるの?

ラブ   筆者もその存在は一種の都市伝説と捉えていて存在には懐疑的なんだけど、実際に新聞でも取り上げられているし、法政大学で行った調査では400人中9人が便所飯経験「あり」と答えているらしいよ(NHK「特報首都圏」)。「便所で食事禁止!」という張り紙がある大学もあるらしいし、実体のない都市伝説というわけではないみたいね。

ブック  400人中9人・・・。100人中2,3人てこと?そう考えると結構多いかもね・・・。で、筆者は便所飯から何を考察しているの?

ラブ   そうね、じゃあまずどうして若者が「便所飯」という行為に走るんだと思う?

ブック  うーん、一人でいるところを人に見られたくないのかな?

ラブ   そう、筆者もその心理を指摘しているよ。簡単に言うと、こんな感じ。

「ひとりで食事する奴」=「友達がいない奴」=「大きな恥」



 人に見られることを過剰に意識するようになった若者が、上のような認識でトイレに逃げ込んじゃうって。「ランチメイト」なんていって、お昼を一緒に食べるためだけの関係もあるらしくて、「一人」ということに人が敏感になっている現実が見えてくるね。そして、若者にそんな意識を植え付けているものとして、筆者は80年代から90年代にかけての「教育の変化」を挙げているわ。

ブック  80年から90年?学校は公正公平、平等を打ち出して「みんな仲良く」って感じに進んでるころじゃないの?

ラブ   それが皮肉にも「便所飯」につながっているのかもしれないの・・・。89年改定の「新学力観」によって、それまでの客観的評価(テストの点数)から、教員の主観的評価(関心・意欲・態度)に重点がシフトしたの。そこで、子どもたちに「人からどう見られるか」という意識が強まった・・・。筆者はこんな風に書いてる。

要領よく生きていくためには、まず第一に、教師から見ての「いい子」にならなければいけない。「友達のいないダメな子」と教師に思われたら最後、それだけで掴めるはずだったチャンスを失ってしまう―実際はどうあれ、少なくとも子供たちの意識の中では、そんな不安が日々渦巻いているはずだ



ブック  なるほど。「人からどう見られるか」という視点ね。「良い子」「悪い子」っていうカテゴライズも、何だか歪なのかもしれないね。どんな子が良い子で、どんな子が悪い子なのか、常識を疑ってみる必要はありそう・・・。

ラブ   そうそう、友達の数がステータスになっているような状況になっているのならおかしいよね。筆者も、若者たちが立ち回りを意識することによって、「スクールカースト」が生まれ、「人気はあるが、親友はいない子供たち」が完成する、という鋭い指摘をしてるわ。でもね、「友達の数=人間の価値」じゃないなんて理屈では分かっていても、実際に孤独になるのは辛くて、寂しいものなんじゃない?誰だって孤独は嫌だと思うし・・・。

ブック    その認識も、実は思い込みかもしれないよ。こんな本は知ってる?去年出た、森博嗣さんという人の本なんだけど。

孤独の価値 (幻冬舎新書)孤独の価値 (幻冬舎新書)
(2014/11/27)
森 博嗣

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ラブ   あ、「すべてがFになる」の人だね!

ブック そうそう、現在はほとんど人に会わない生活をしている森さんが、孤独というものを改めて捉えなおしている1冊なんだ。簡単に言うと、孤独=寂しい=悪という図式ができあがっている現状を見直して、孤独は静かに自分を見つめなおし、人間を成熟させる貴重な営みだと述べているんだよ。

ラブ   へえ、面白そう!でも、なんで孤独=寂しい=悪が定着してるんだろう?確かにあたしも、孤独は辛いからなんとかして避けるべきだって思って話してたけど・・・。

ブック その点も説明されているよ。じっくり説明したいところだけど、今日はもう時間が来たみたい。続きは後編で話すことにしよっか。




 以上、今日は前編をお送りしました。後編は「孤独の価値」の話題を中心に2匹が話してくれる予定です。タイトルは、「孤独と親友」。こちらの方もお楽しみに。以上、おともだちパンチでした。 

後編はこちらからどうぞ 後編 「孤独と親友」

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森博嗣,



  •   29, 2015 22:13