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  • 100万分の1回のねこ 3匹目 「インタビューあんたねこ」 くどうなおこさん

     30, 2015 23:53
    100万分の1回のねこ
    100万分の1回のねこ
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    に抱かれてごろごろにゃん

     「100万分の1回のねこ」第3回目はくどうなおこさんです。以前、教科書に掲載されている「のはらうた」を紹介したこともあるくどうなおこさん。「100万回生きたねこ」へ捧げる、素敵な詩を寄せてくださいました。

     タイトルは、「インタビューあんたねこ」。ねこに向かって、「あなたはだれですか」と問いかけ、それにねこが答えていくという形式が繰り返されるのですが、繰り返しの中に深みと味わいを感じさせる詩となっています。



    100mann-3_convert_20150827232452.png
    「インタビューあんたねこ」 くどうなおこ

     100万回生きたねこって、どんなねこだろう。佐野洋子さんにリスペクトを捧げながらも、くどうなおこさんの色も強く感じさせる、そんな素晴らしい詩です。

    ネコ1

     ねこに向かって、「あなたはだれですか」と尋ね、ねこは「あんたねぇ」と言ってからそれに答えます。6つのパートに分かれている詩ですが、それぞれ最初の部分は同じ形になっています。

    (引用)
    あなたは だれですかときくと
    ねこは あんたねぇ といった
    あんたねぇ



     ここから先は、パートごとに異なっています。「あなたはだれですか」と聞かれているので、ねこは自分が誰か答えるのでしょうか?いえ、実はねこは自分が誰であるか答えようとはしません。質問をのらりくらりとかわしながら、ちょっと不思議で、でもどこかロマンチックで、それでいて深く染みわたってくるような答えを返していきます。

    (引用)
    あんたねぇ あたしは ああであったり こうであったり
    ああでなかったり こうでなかったり なおかつ
    ああであるとおもえば こうであり あまつさえ
    こうにちがいないとおもえば ああなっちゃうの



     結局、どうなのでしょうね 笑。こんな感じで、ねこの答えは要領を得ないのですが、どこか惹かれるような、不思議な魅力をはらんでいます。そこにはやはり、あの名作絵本、「100万回生きたねこ」へのリスペクトがあるのでしょう。全文を掲載することはできませんが、この後、できるだけ詳しく見ていこうと思います。

    ネコ1どうなおこさんのねこ

     この「100万分の1回のねこ」という本では、作品のはじめに作者のコメントが掲載されています。「100万回生きたねこ」への思い出や想いをつづった短いコメントです。ほんの数行ですが、そこはさすがプロの作家さんで、どの方の文章からも、「100万回生きたねこ」への深い想いを感じます。

     その中でも、くどうなおこさんのコメントには特に深みを感じました。なぜなら、くどうさんのコメントには「100万回生きたねこ」の作者、佐野洋子さんが登場するからです。そのコメントを見てみることにしましょう。

    (引用)
    むかし、この絵本が出たばかりのころ、私は佐野洋子さんに「100万回死んだねこ、いいね」と、タイトルを言い間違えた。洋子さんは即座に「い・き・た・だよ!」と言い返した。そのときのこと、いまでもよく思い浮かべる。



     どうでしょうか。この短いコメントから、何を感じるでしょう。ねこが100万回生きたということは、100万回死んだということでもあります。でも、タイトルは100万回「生きた」ねこなのです。佐野洋子さんが、そのタイトルに強くこだわっていたことを感じさせます。

     このコメントを見てから詩を読むと、さらに詩の深みが増します。「ああ、やっぱり100万回『生きた』ねこなんだよなあ・・・」と、胸に染みてくるものがあります。

    ネコ1に抱かれて

     前回の「竹」というお話で、ねこの名前について考えました。ねこに名前を付けているのは人間で、ねこにとってはそんなことは「知ったこっちゃない」ことなのかもしれません。

     ねこだけではありません。名前というのはとても不思議なものです。人間は生まれた時に名前を付けてもらって、名前=自分のような感じがありますが、少し考えてみると、これはとても深いことです。

     もし自分に違う名前が付けられていたら、自分は違う「自分」になっていたのだろうか。

     もし自分に名前がなかったら、自分は「自分」でいられるのだろうか。

     そんな名前の不思議を感じさせる部分が、くどうさんの詩にも出てきます。

    (引用)
    あんたねぇ あたしは いつから 「あたし」か しらない
    えいえんに つきに だかれて いる 
    いつまで 「あたし」か しらない
    えいえんに つきにだかれている



     「あなたはだれですか」という質問に答えてはくれないのですが、こんな答えが返ってきたら何だか不思議な気分になって、答えが分からなくても満足してしまいそうです。「つきにだかれている」という表現がまたいいですね。この詩には何度も「月」が登場するのですが、ねこと月の不思議な親和性を感じさせます。

    a0960_006801.jpg

     「あなたはだれですか」と尋ねても、ねこはのらりくらりとかわしてしまいます。このあたりは、ねこの憎めなさや図太さといったものがよく表現されているように思います。

    (引用)
    あんたねぇ それより ごはん たべない?
    そういって あなたは あまのがわに つめを のばし
    ほしいろの さかなを くちに くわえた
    あなたは こころから さかなを くわえた



     「ほしいろのさかな」・・・もうこのあたりは、ハートを撃ち抜かれてしまいそうです。ねこが誰だかなんて、もうそんなことはどうでもよくなってきます。質問されて「それよりごはんたべない?」とかわす様はかなり図太く、いじらしくもあるのですが、そこから先の、ロマンチックでそれでいて力強い展開への変化が見事です。すっかり、このねこの「ファン」になってしまうでしょう。

     「のはらうた」でも感じましたが、くどうさんの詩に出てくる生き物は、ダイナミックで力強さを感じさせます。あらゆる生き物が、力強く、自分らしく生きている様子が伝わってきます。そんなくどうさんがねこを描けば、まるでこのねこが本当に100万回生きたような、そんな感覚にさせられてしまうのだから不思議です。

    100mann-3_convert_20150827232452.png
    匹目のねこ~私のつぶやき~

    このねこは本当に100万回生きたんだろうな・・・くどうさんが描けば、そんな説得力を帯びてくるから不思議です。

    質問をかわしながら、のらりくらりと生きていくねこ。そんなつかみどころのなさこそ、ねこの生命力になっているのかもしれませんね。


     


    こちらもどうぞ

    「野原はうたう」 くどうなおこさん
     前回紹介した「のはらうた」、中学校の教科書に掲載されているものです。「おれはかまきり」と聞けば、一瞬で記憶が蘇る人も多いのではないでしょうか。それぐらい、インパクトのある詩でしたね。

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    くどうなおこ,



    •   30, 2015 23:53
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