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2014年年間ランキングトップ20 1

 13, 2015 17:43
 今回は2014年年間ランキングをお届けしたいと思います。2014年に読んだ本、計92冊の中からトップ20を選びました。
今回から4回シリーズで2014年年間ランキングを発表していきます。第1回目の今回は、第20位から第16位までをご紹介します。
※本のコメントは、読書記録サイト「読書メーター」に私が投稿したコメントの転載となっております。

2014年年間ランキング

20位 「破戒」 島崎藤村



「人生は無慈悲な、残酷なものだ」(p281) 新平民(旧えた)の身分を隠して勤務する教師、瀬川丑松の懊悩を描きます。明治の世になっても、決して消えることのない江戸の残骸、身分制度。その不条理さへの嘆きをどこにもっていけばよいのか分かりませんでした。決して明治の人を非難するわけではなく、差別は空気のように、問題意識のないままに存在を続け、決して変えることのできない存在だったのだと思います。打ちひしがれ、「獣の仲間に生まれたかった」とまで言う丑松の姿は辛すぎました。ラストも救いがなく、大きな闇を感じます。

19位 55歳からのハローライフ 村上龍





「本当に大切なことは、本当に大切な人にしか話せない」 中高年の方の姿を描いた短編5編です。「信頼」というのが共通のテーマになっています。私は「55歳」から見れば3分の1も生きていません。年をとるにつれて、様々な経験や感情が積み重なってできる他者との「信頼」について、精一杯想像しながら読みました。齢を重ねるとはこういうことなのかな、と拙いながらも感じます。中高年の悲哀や苦悩を丁寧に描きつつも、最後の数ページにそっと優しく希望が差し込まれます。飲み物の描写も印象的。私も、前を向いて素敵に年をとりたいです。

18位 調べる技術・書く技術 野村進 



かなりおすすめの良書です。目次を見ていただければ分かりますが、ライターの在り方を審らかに明かしています。序盤の「テーマ決定の参考ポイント」は大変参考になりました。普遍性や、未来への方向性、テーマにはそんな意図もあるんですね。「人に会い、話を聞き、文章にする。たくさん読み、たくさん観、たくさん聴く。こんなことを繰り返すうち、知らず知らずに自分が豊かになっている(pp242)」本当にその通りですね。これぞプロ、という感じでした。繰り返します、かなりおすすめの良書です。

17位 県庁おもてなし課 有川浩




あれもない。これもない。何もない。-「ない」の中に埋もれた「ある」ー。  地域活性化と恋愛模様が魅力的な、爽やか系の小説です。頭の固い縦割り行政、お役所仕事を皮肉った記述には、うんうんと頷かされます。そんな縦割り行政の一員だった掛水君が、様々な出会いを通して「おもてなしマインド」を身に付け、成長していく様子がたまらなく愛おしいです。  高知の方言もこれがまたかわいいんですよね。何だか故郷に帰ったような気持ちに・・・。地域活性化に必要なのは、このホッとさせるような「故郷感」なのかもしれませんね。

16位 福翁自伝 福沢諭吉


「なるほど枕はない筈だ、これまで枕をして寝たことがなかったから」福沢諭吉の学ぶ姿がよく分かる一説です。緒方洪庵のもとで弟子たちと学んだ環境は、自由闊達で鷹揚とした一種の理想郷のようでした。そこにあるのは原石のような輝きを放つ「学び」という営み。そこから得られた「目的なしの勉強」という教訓は金言です。「あくせくするな、真の勉強をするなら静かに居るべき」そんな風に説いています。解説にもありましたが、自分の弱い部分もさらけ出している点に価値がある自伝です。全裸で飛び出していくなど、かなりお茶目な面も・・・。

 以上、20位から16位までご紹介しました。次回は15位から11位までを発表していきます。
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  •   13, 2015 17:43