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特集 下町ロケット2 実況中継

 01, 2015 00:00
下町ロケット2

 10月3日より、朝日新聞朝刊で「下町ロケット2」の連載が始まります。「下町ロケット2」は2011年に直木賞を受賞した池井戸潤さんの代表作です。すでにテレビドラマ、ラジオドラマ化されていたのですが、2015年の10月クールからはTBSの「日曜劇場」で再びドラマ化されることになりました。

 ドラマの後半は、原作の続きとなる新たな物語、「下町ロケット2」として展開されます。それが今回朝日新聞で連載が始まったこの物語で、11月の後半からはドラマと新聞連載が同時展開されるという大変面白い企画が予定されています。

 ドラマと、新聞と、そしてこのブログで同時展開してみたい!というのがこの企画です。ここでは、新聞に掲載された「下町ロケット2」を読んで、私が簡単なあらすじと感想をまとめていきます。新聞連載と同時にブログを書いていく・・・いわば「実況中継」の企画です。

 「下町ロケット2」は毎週土曜日と日曜日に掲載されるということです。読み次第、こちらにあらすじと感想を追加していきます。基本は当日の追加を予定していますが、私の都合で当日中には更新できないこともあると思いますので、その点はご了承ください。




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 ↑こちらが新聞に掲載されている「下町ロケット2」です。全面広告として2面にわたって掲載されています(第3回からは1面分の掲載)。

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「下町ロケット」 池井戸潤さん

 私が書いた「下町ロケット」のレビューです。新聞連載は本編のその後として描かれているので、新聞連載で初めて興味を持った方はぜひ本編のほうをチェックしてみてください。

下町ロケット2 実況中継



 (10月3日)

あらすじ

らが手掛けたエンジンで国産ロケットを飛ばすという夢を実現した佃製作所の社長、佃航平。ロケットの打ち上げから2週間後、佃は業界団体のパーティーに参加していました。世話になっている帝国重工の財前と話していたところに、背後からひとりの男が現れます。男は帝国重工で財前のライバル的存在の石坂宗典(むねのり)でした。石坂はさらにまたひとり、男を連れてきます。その男は、精密機器メーカー、サヤマ製作所の社長、椎名直之(なおゆき)でした。

 椎名はNASAの出身で、社長となってからは3年間で会社を急成長させたやり手でした。佃や椎名が話をしている時、硬い表情をしていた財前が口を開きます。
「いや実は、佃さんに話そうと思ってたんだが、次回からのバルブシステムをコンペで決定することになったんだ」



 せっかくバルブシステムの供給を取り付けたと思ったら、初回から超強力なライバルが登場しました。いきなり波乱を感じさせる幕開けです。ただ、佃製作所の面々の絆が本編に比べだいぶ強くなっているように感じました。本編で様々な苦難を乗り越えた彼らなら、きっと今度も乗り越えられるはず!

 (10月4日)

あらすじ

製作所で以前働いていた真野が、佃のもとを訪ねてきました。真野は以前、新たなビジネスチャンスが到来したかもしれないという旨の手紙を佃に送ってきたことがありました。それが、「人工心臓の開発」です。

真野は研究開発で協力している桜田と一村を連れてきて、より具体的に話を進めます。重度の心臓弁膜症で苦しむ子供たちにも、新たな人工弁を開発する必要があると一村は力説します。言葉の後を継いで、真野が頭を下げました。
「社長、このプロジェクトに参加していただけませんか」



 佃製作所を飛び出していった真野さんが再登場です。心を入れ替えたというか、すっかり立派な人物になった印象があります。そして、今回の話のメインになるであろう人工心臓の開発の話についても骨格が見えてきました。後半でも描かれるように、雲をつかむようなプロジェクトです。ロケットと違って佃の専門外だということも戸惑いを引き起こしているようですね。

 (10月10日)

同僚の真野から、心臓の人工弁の開発に携わらないかと誘いを受けた佃たち。しかし、それは佃製作所にとってあまりにもリスクが大きなことでした。人工弁は開発費がかかっても値段を上げて回収することはできないですし、デバイス・ラグと呼ばれる承認問題もあります。

「真野には申し訳ないが、断ろう。みんなそれでいいか」経営者として、佃はそう判断を下すのですが・・・



 目の前に魅力的なプロジェクトがあったとしても、佃は「経営者」。研究者時代とは違って、会社と社員を背負っているんですよね。本家の下町ロケットでも研究者と経営者の間での葛藤が描かれていましたが、改めてその葛藤を思い出させる回でした。

 (10月11日)

井を訪れた佃たち。訪問の足で、サクラダの工場を訪問することになりました。社内では訪問に否定的な唐木田が不満をこぼしていましたが、そんな唐木田も、工場を見て立ち尽くすしかありませんでした。そこには、自動化された最新レベルの設備があったのです。中小企業としては考えられないレベルの設備でした。

工場を案内しながら、桜田社長がここまでして人工弁の事業に力を注ぐ理由を語ります。桜田の口から語られたのは、すでに亡くなった彼の娘のことでした。



 桜田社長には、心臓病で17歳で亡くなった娘がいたんですね。この物語の軸である、「仕事をする意味」について投げかけてくる回です。利益やリスクなど度外視して、前へ進もうとしている桜田社長は強い。佃たちが心を動かされたのも当然のことだと思います。

 (10月17日)

よいよ、「ガウディ計画」のプロジェクトチームが発足します。佃製作所のエンジニアは皆ロケットエンジンのバルブ開発にかかっており、余力がありません。では、誰をプロジェクトのリーダーにすればよいのでしょうか。佃が白羽の矢を立てたのは、入社5年目の若手、立花でした。

立花のほかにも、若手の社員が中心に計4人が選ばれて、「ガウディ計画」はいよいよ始動します。期待と不安が入り交じった船出です。



 池井戸さんが書く登場人物は読んでいて共感しやすい人物が多いです。芯が通っていて、まっすぐなところに共感できるんだと思います。新たに登場した若手の立花もその一人で、経験では乏しくても、応援したくなる人物です。

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 (10月18日)

佃たちは、一村医師からガウディ計画について説明を受けます。誰かの命を救うために行われるプロジェクト・・・。「これは、単なるビジネスじゃない」佃は決意を固めるのでした。

ガウディ計画の最初のチャレンジは、PMDA(独立行政法人医薬品医療機器総合機構)との事前面談です。プロジェクトの方向性を決める大事な面談ですが、審査チームは保身のために保守的な態度を取ることもあるといいます。最初の難局をどう乗り切るか・・・。メンバーは結束を深めます。



 役人が保身のために主人公たちを妨害しようとする・・・これも池井戸さんの作品ではあるあるですね。その対決軸が面白いのが池井戸さんの作品の魅力です。今回もまた、激しい対立が起るのでしょうか?期待が高まります。

 (10月24日)

ら佃製作所の面々と、一村、桜田はPMDAとの事前面談に挑みます。一村が、よどみのない理路整然とした説明を行い、質疑応答も順調に進みます。これなら乗り切れるか―佃がそう思いかけた時、大きな声が割って入ってきました。

「まあ、基本的なことは別にいいですよ」

口を開いたのは、面談の進行を務めていた滝川という男です。年齢的にも最古参の滝川は、実質的に面談を仕切っていました。一介の町工場にこのような医療機器開発のリスク管理はできるのか、滝川が嫌らしく問いかけてきます。



 予想通りというか、やはり嫌らしい敵が出てきました。佃たちの熱意を歯牙にもかけないこの滝川という男は、今後も手強い相手になりそうです。保身やメンツ…毎度のことですが、嫌になってしまいますね。

 (10月25日)

台は変わり、帝国重工がサヤマ製作所を視察している場面に移ります。帝国重工の評価担当は、以前佃製作所を苦しめた富山(とみやま)です。そんな富山が、サヤマ製作所を絶賛します。技術力、工程や品質、人事…すべてにおいてサヤマ製作所は文句の付け所のないレベルにありました。

「特許を盾に技術を独占したところで、意味がありませんから」厳しい言葉が飛びます。佃製作所にとっては最大の皮肉・・・強力なライバルが佃たちをおびやかし始めています。



 久しぶりに富山が登場です。とてつもなく嫌らしく手強い人でしたからよく覚えています。結果的にバルブシステムは佃製作所に外注することになりましたが、それは帝国重工にとっては屈辱的なことだったのだと痛感します。サヤマ製作所のコンペ、厳しいことになりそうです。

 (10月31日)

たちが「ガウディ計画」を始動させている一方で、ロケットのバルブシステムの競争の方でも動きが起っていました。佃製作所の競争相手、サヤマ製作所と帝国重工が関係を深めていたのです。そんな時、佃製作所に一本の電話がかかってきました。帝国重工からかかってきたその電話は、燃焼実験の「リスケ」を一方的に告げるもの。要するに、帝国重工の嫌がらせです。

「くそったれ」電話を終えた佃は毒づきます、佃たちを苦しめた帝国重工の富山はまだロケットのバルブシステムのことを根に持っているよう。厄介なことになってきました。



 富山さんは「下町ロケット」の最後の方でかなり改心して佃さんの味方になってくれたという印象が強かったのですが、どうやらそう簡単ではないようです。自分の鼻をへし折られたような出来事でしたから、今も穏やかではないのでしょう。今後も嫌な敵役になっていきそうです。

10 (11月1日)

ウディ計画が、若手社員たちを中心に進んでいます。リーダーの立花は試作品を作っていますが、ブラックボックスの部分に突き当たり、苦悶の表情が浮かべます。「スマートにやろうと思うなよ。泥臭くやれ」佃ははっぱをかけます。

一方、場所は変わって株式会社サクラダです。子会社であるサクラダ、親会社から莫大な融資を受けて開発部門に力を注いできました。しかし、いつまでたっても成果の見えない開発部門に、親会社の不満は募ります。「今回の、この五千万円までにしてくれないか」弟から兄へ、最後通告ともとれる一言が言い放たれました。



 研究開発は、目に見える成果が出るまでに莫大な費用と期間、そして研究者たちの血のにじむような努力を要するのですね。しかし、目に見える成果が出にくいため、外野からはなかなかその苦労を理解してもらえません。これは「下町ロケット」全体に通じるテーマですね。兄弟のやり取りが、テーマをストレートに描き出します。

11 (11月7日)

国重工の財前が、佃製作所にやってきました。「おもしろいものをお見せできます」そう言って佃が呼び出したのでした。佃は、新しく開発したシュレッダーの試作品、そして新しいバルブの試作品を財前に見せます。「これ、まさか手で削ったんじゃないよね」、財前はほれぼれとして目を丸くします。

場所は移って社長室。実は、佃は財前に頼みたいことがありました。帝国重工にガウディ計画を支援してもらいたい、ということです。「簡単じゃないことはわかります。だから、あなたに頼んでいるんだ、財前さん」佃は頭を下げます。



 なるほど、帝国重工に支援してもらおうということですか・・・。でも、簡単にはいかないと思います。財前さんがガウディ計画のリスクをすぐさま指摘したのはさすがです。財前さんも社内での立場は決して安泰とは言えませんし、嵐の予感がします。

12 (11月8日)

ジア医科大学の牧田英介は、六本木のバーで呑んでいたところ、一本の電話を受けました。「患者さんの容態が急変しまして」…急変した患者は、先週、本人と家族の同意を得て人工心臓を付けたばかりの患者、小西悟でした。

初期対応のまずさもあり、小西は死亡しました。「容体が急変したとはいえ、初期対応を指示しておかなかったのは、巻田、君の責任だ」巻田は心臓外科部長の貴船から厳しい言葉を浴びます。



 今回は全編病院関係者を中心に展開していきました。池井戸さんがこういった小説を書く日が来るとは!新鮮です。ドラマの方では今田耕司さんが登場されるということで、何とも絶妙なキャスティングに期待が高まります。

13 (11月14日)

院で起こった死亡事故の責任を全て自分に押し付けられ、怒りが収まらない巻田。「なんで、オレのせいなんだ」自分を捨て石に使おうとする貴船に対する不信感は頂点に達しました。巻田が、デスクの引き出しから1枚の名刺を取り出します。

一方、貴船のもとには日本クラインの企画担当部長、久坂がやってきます。久坂たちのもとで、女性ジャーナリストが嗅ぎまわっているというのです。しかも、事態は深刻でした。ジャーナリストはコアハートの設計図を持っていたというのです。それが意味するのはつまり、「情報のリーク」で・・・。



 医局内のドロドロも、池井戸さんはお手の物といった感じです。貴船はとても感情移入できる人物ではありませんが、今回の最後、彼が叫んでいることには一考の余地はあります。「失敗を責めたら、医療は進化しない」、たしかにそういった側面はあるでしょう。しかし、医療が人の命を扱っていることもまた、動かせない事実です。

14 (11月15日)

ウディ計画の重責を担った立花でしたが、停滞する状況が続いていました。何かが、おかしい―。技術的な事よりも深刻な、精神的なことに問題があるのかもしれない。彼は1つの決断を下しました。

「福井に出張させていただけませんか」。彼は実際にその目で見ようと決意したのでした。自分たちが開発しているものが、本当はなんであるのか・・・。



 今回の展開は胸が熱いです。自分たちがやっていることが何なのか、それが見えなくなってい立花。それがとても危険な状態であるということに、よく気付いたと思います。何のための仕事か、という下町ロケットの大きなテーマ。次回は大きな山がやってきそうです。

お知らせ



・「下町ロケット2 ガウディ計画」は11月5日に単行本が発売される予定です。

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 単行本は朝日新聞の広告特集連載の2倍近い分量になる予定だそうです。私は新聞のストーリーを追っていくことにしますが、その後で単行本もチェックできたらと思います。

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  •   01, 2015 00:00