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  • 最果てアワード2015 ★ 文学部門 (15~11位)

     29, 2015 00:00
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    華な本の忘年会!年に1度、名作たちが共演します

     年末は久しぶりに毎日更新をやってみようか・・・ということでせっせとパソコンに向かっています。順位から逆算していただければわかりますが、このランキングは大晦日まで続きます。久しぶりにやっていますが、毎日更新はとても大変ですね。体力の消耗が半端ないです。こんなことを続けているとブログの寿命を縮めかねないので、あくまで期間限定のお祭りのような位置づけです。

     今日は文学部門の15位から11位までを紹介します。年間トップ10入りを逃した「あと一歩」の本たちです。とはいえ、今年100冊近くの文学作品を読んだ中での10位台なので、並ぶのは選び抜いたおすすめの本ばかりです。さっそく15位から見ていきます。



    15

    ボトルネック (新潮文庫)
    米澤 穂信
    新潮社
    売り上げランキング: 128,420


    〔書名〕 『ボトルネック』
    〔作者〕 米澤穂信
    〔ジャンル〕 現代の文学(大衆文学)
    〔読了日〕 3月26日
    〔記事〕 ブックレビュー #31

     ここから質の高いミステリー作品が3冊並びます。まず15位は米澤穂信さんの『ボトルネック』。青春特有の危うさと影を、巧みなパラレルワールドを交錯させながら描いたミステリーで、文学性もとても高い作品です。

     私は「若者の危うさ」というテーマが大好きなようです。若者の危うさを扱った作品はそれだけでかなり評価が高くなるなあ、とランキングを作りながら思いました。17位に選んだ『スクラップ・アンド・ビルド』はまさにそうですし、文学以外の本を扱った総合部門でも若者をテーマにした本をたくさん紹介しました。

    コーヒー が書いた記事から

    評価が分かれる理由は2つありそうです。まずは、ミステリーとして読むかどうか、という点。伏線の見事な回収はありますが、ミステリーとしては辛口の評価が目立ちました。推理の要素があまりないからでしょうか。冒頭でも書いたように、青春小説として読むのがおすすめです。若さの危うさ、影といったテーマで読むと群を抜いた鋭さがありました。



    若い頃って、必要以上に悩んだり苦しんだりすることがあるのではないでしょうか。青春とは盲信です。馬鹿みたいに希望を信じることができれば、絶望に向かっていくこともできます。青春のガラスのような脆さを痛感する作品でした。



     私は一番好きなジャンルが純文学なので、ミステリーを読んでいても文学性を求める傾向があります。その観点から言うと、米澤穂信さんは素晴らしいミステリー作家さんです。事件の設定で読者を惹きつけるだけでなく、心理描写や雰囲気の演出といった文学的な面でも非常に水準が高いです。前回16位に紹介した辻村深月さんと並ぶ「文学的なミステリーの書き手」だと思っています。

     『ボトルネック』は若者特有の危うさを見事に描ききっていましたね。レビューでも書いている通り、ミステリー作品というよりも「青春小説」として評価されるべき作品だと思います。もちろん、伏線の張り方などミステリー作品としてもその出来栄えにはうならされました。最後の結末を明示しないのもよかったですね。この小説には、絶対にあの「後味の悪さ」が必要だったと思います。

    14
     
    カラスの親指 by rule of CROW’s thumb (講談社文庫)
    道尾 秀介
    講談社 (2011-07-15)
    売り上げランキング: 12,447


    〔書名〕 『カラスの親指』
    〔作者〕 道尾秀介
    〔ジャンル〕 現代の文学(大衆文学)
    〔読了日〕 3月2日
    〔記事〕 ブックレビュー #20

     ミステリー作品が並ぶ、「年末プチミステリー祭り」エリアです。2番手で14位に登場したのは道尾秀介さんの『カラスの親指』。いや~、今でも思わず嘆息してしまいます。お見事の一言、読後の快感で言えば間違いなく今年ナンバーワンでしょう。

     道尾さんは伏線の張り方、話の構成などがとても巧みで、「道尾マジック」と呼ばれるくらいです。私はそれに加えて道尾作品特有の後味の悪さというか容赦のなさも好きですね。ただ、この作品は後味の悪い作品ではありません。とにかく・・・気持ちいいですから!

    コーヒー が書いた記事から

    自分なりに推理をしていました。そして、それに結構近い形で話は進んでいきました。「あれ、今回は騙されなかった?」そう思ったあたりで気づきます。あと40ページ残っている・・・。エピローグにしては少々余りすぎです。何だか嫌な予感がしました。そして、嫌な予感は当たりました。ラスト40ページで、全てがひっくり返されたのです。今回はかなり警戒して読んだので、それでも騙された時のショックは相当なものでした。



    「騙す」ことがテーマの小説ですから、道尾さんに今作で期待されたことはたった一つ。それは、「読者を鮮やかに騙すこと」です。伏線が丁寧に解説されているのを読むと、いかに自分が道尾さんの手のひらの上で転がされていたか痛感させられます。「しっかり騙されちゃってくれてありがとう、ほんとはこうだったんだよ」と楽しく笑う道尾さんの顔がありありと浮かんできます。悔しいけど、楽しかったですね!



     「悔しいけど、楽しかったですね!」ですって 笑。自分のレビューを読み返していても、相当に楽しかったんだろうなということがよく伝わってきました。全ての読者に「あっ」と言わせて楽しいと思わせることができる・・・エンターテイメントの鏡のような作品でした。

     本の帯に「衝撃の結末」などといって盛大に煽っている作品はたくさんありますね。けれど、そういうコピーは売るために話を盛っている場合が多いので、実際に読んでみるとそうでなかったということも多々あります。「衝撃の結末」というからにはこの本ぐらいの鮮やかな結末が欲しいですね。

    13

    火車 (新潮文庫)
    火車 (新潮文庫)
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    宮部 みゆき
    新潮社
    売り上げランキング: 2,176


    〔書名〕 『火車』
    〔作者〕 宮部みゆき
    〔ジャンル〕 現代の文学(大衆文学)
    〔読了日〕 3月31日
    〔記事〕 ブックレビュー #32

     ミステリー3作品の最後を飾ったのは宮部みゆきさん。好きな作家ランキングでは常に上位にランクインする、日本を代表する現代作家の一人です。代表作の1つに数えられる『火車』を第13位に選びました。

     宮部みゆきさんはミステリーだけでなく時代物やファンタジーなど様々なジャンルに挑まれており、しかもその全てで一線級におられるのですからもはや圧巻の一言です。中でもミステリーは特に素晴らしいですね。重厚感にあふれる本格ミステリーの書き手です。

    コーヒー が書いた記事から

    本間刑事たちは作品のラストでようやく謎の女にたどり着きます(たどり着くのです、が・・・)。作品の後半までは、彼女の名前すら分かりません。作品の表には一切登場することのない彼女。外側から、外堀を埋めるように明らかにされていった彼女の人生は、「現代社会の悲劇」ともいうべき、悲惨なものでした。



    最初に、「どうやって自分が自分であると証明するか」という話をしました。住民票に戸籍、マイナンバー。よく考えると気づきます。私たちの存在を証明する手段が、どこまでも機械的で、そして脆いということに。



     ミステリーとしてももちろん面白いのですが、宮部みゆきさんの作品で特筆すべきは「社会問題への切り込み」です。この『火車』や『理由』などがその典型ですが、社会に潜む闇の存在に圧倒的な取材で迫り、膨大な情報を提示しながらその姿を浮かび上がらせていくのです。

     80年代にデビューされ、2010年にいたるまで常に第一線におられます。しかも、『ソロモンの偽証』などがまさにそうですが、作家としてのバイタリティーが全く衰えていないのです。あのボリューム、あの読みごたえ、あの面白さ・・・本当にすごい方ですね。今日本で最も偉大で最もリスペクトすべき現役作家といっても構わないと思います。来年も宮部さんの作品はたくさん手に取りたいものです。

    12

    琥珀のまたたき
    琥珀のまたたき
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    小川 洋子
    講談社
    売り上げランキング: 6,716


    〔書名〕 『琥珀のまたたき』
    〔作者〕 小川洋子
    〔ジャンル〕 現代の文学(純文学)
    〔読了日〕 11月6日
    〔記事〕 ブックレビュー #82

     ランキングを作る時、「1人の作家のランクインは1冊まで」という縛りを作りました。せっかくの機会ですから、できるだけ多くの作家さんの本を紹介したいと思ったのです。ところが、1人だけルールの例外になった作家さんがいました。それが小川洋子さんです。今年も小川洋子さんの本をたくさん読みましたが、その中から1冊だけなんてよく考えればどだい無理な話です。

     ということで、小川洋子さんは唯一2作品ランクインしています。まず最初に登場するのは最新の長編、『琥珀のまたたき』です。長編を本にすることができてよかった、と小川さんがラジオでおっしゃっていました。いかにも小川洋子さんらしい、そんな設定の作品で、また傑作が1つ増えましたね。

    コーヒー が書いた記事から

    別荘に閉じ込められた子どもたち。閉ざされた世界で、彼らだけの時間が漂います。小川作品独特の静謐さを漂わせつつも、そこに「危うさ」も感じさせる―どこか心がザワザワするような、不安な静けさが広がります。



    「この小説は、世界に必要である」、あるいは「この小説は、誰かに必要とされている」-。そう思わせるのは、上に書いたように、小川さんが小説の必要性について誰よりも深く理解して物語を生み出しているからです。読み終えた後の、静寂の中にも確かに残るこの余韻・・・毎回至福の時間を過ごしています。



     小川洋子さんの本は毎回背筋を伸ばして読んでいます。そしてレビューも、いつもの数倍は気合を入れて書いています。この作品にも「危うさ」が出てきましたね(「危うさ」はすっかりキーワードです)。静けさの中にも危うさがあり、美しさがある。小川洋子さんが描き出す世界は一見ただ静かな世界ですが、その裏でゆらめくものが驚くほど豊かなのです。

     そんな小川洋子さんの小説が、この後もう1冊登場します。一体どこに登場するのでしょうか、どうぞお楽しみに(順位は大体想像がつきそうではありますが・・・)。

    11

    下町ロケット (小学館文庫)
    池井戸 潤
    小学館 (2013-12-21)
    売り上げランキング: 68


    〔書名〕 『下町ロケット』
    〔作者〕 池井戸潤
    〔ジャンル〕 現代の文学(大衆文学)
    〔読了日〕 9月30日
    〔記事〕 ブックレビュー #77

     で、出ました、『下町ロケット』!今年放送された民放ドラマで視聴率ナンバーワンを獲得し、10月期の話題を独占した池井戸潤さん「絶対の代表作」が年間ランキング11位です。

     池井戸潤さんの本には小難しい解釈は必要ありません。まさにロケットのように突き抜ける快感を味わえる、当代屈指のエンターテイメント小説の書き手ですね。このブログでも、ブックレビュー、そして新聞連載の「実況中継」を通して『下町ロケット』を楽しませていただきました。

    コーヒー が書いた記事から

    夢とプライドで渡り歩けるほど、世の中は甘くありません。池井戸作品の魅力の1つ、「分かりやすい対決軸」は今回も健在です。小さな町工場の力には限界があります。それでも、佃は様々な苦難に立ち向かっていくのでした。相手にするのは巨大な企業ばかり・・・まるでアリがゾウに挑むような、無謀な挑戦ばかりです。



    物語の中にいくつの苦難や困難があったか指折りで数えていたのですが、途中で分からなくなってしまいました。それほどたくさんの苦難や困難があったということです。壮大な物語を読み終えて気分は、まるで登山でもしたかのよう。「骨太エンターテイメント」の色合いはこの作品でもかなり強くて、私がこれまでに読んだ作品の中では「空飛ぶタイヤ」と並ぶくらいの読みごたえがありました。



     ドラマのほうも全話楽しませていただきました。財前部長と殿村さんがすっかり好きになってしまいました。配役にとてもクセがあって挑戦的だったのですが、上手くはめてきたなあと感心しました。池井戸作品が次々とドラマ化されていますが、それら全てが成功していることを思うと、今の時代に必要とされている作家さんなのだなと思います。

     そんな『下町ロケット』が11位になりました。ランキングを作る前、『下町ロケット』ほどの作品だったら当然トップ10に入ってくるだろうというイメージでいたのですが、実際に作ってみるとなんとトップ10からあふれ出してしまいました。・・・あと10作品、本当に素晴らしい本たちが待っているということです。期待を膨らませたところで、今日はここまで!



    ◇次回、ついにトップ10に突入です。10位から6位は、エンタメ小説3冊、純文学1冊、日本文学1冊というバランスのよい布陣ですね。まさに「今年を代表する」あの小説もここに登場します。そして、私が大好きなあのシリーズものからもランクイン!順位が上がるにつれ、思い入れもどんどん深まっていきます。

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