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  • 色彩の織り模様 -『或る少女の死まで 他二篇』 室生犀星 

     05, 2017 14:15
     金沢生まれの詩人、室生犀星。犀星は多くの小説も書き残しています。小説では、詩人犀星の美しい感性が瑞々しい文章で綴られています。詩とは異なる魅力を感じることができる小説。手に取ってみてはいかがでしょうか。



     岩波文庫版には、「幼年時代」「性に眼醒める頃」、そして表題作の「或る少女の死まで」の三篇が収録されています。



    一行レビュー図書館



    一行レビュー図書館

     本の内容や魅力を箇条書きで簡潔に紹介する「一行レビュー図書館」です。

    ・室生犀星の自伝的小説
    ・金沢で生まれ、詩人を志し、そして東京へと旅立つ犀星
    ・その人生が小説の形で、美しく、瑞々しい筆致で描かれている

    ・金沢の雄大な自然、そして北陸の厳しい冬
    ・そこで育まれた詩人としての豊かな感性
    優れた色彩感覚とどこか宗教的な雰囲気が読者を魅了する

    ・「金魚」や「鯉」、「子供の表情」を捉える独特の色彩感覚
    ・詩人の美しき感覚世界を体験できる贅沢な描写
    ・性的衝動や、大切な人の死-それらに出会った時の心の揺れ動きも絶品

    ・おすすめの一篇は「性に眼醒める頃」
    ・十七歳の少年が、性的衝動に出会う時…
    ・「罪悪感」「秘密の共有」と絡まり昂ぶる恋心。
    ・誰もがきっと共感できる、瑞々しい恋のおはなし。

    ブクログ感想 & 引用



     ブクログに投稿した感想と本の中から印象的なフレーズを抜き出した引用のコーナーです。ブクログには他の方の感想も多数投稿されています。本との出会いを探しに行ってみてはいかがでしょうか。


    室生犀星の自伝的小説です。「幼年時代」「性に眼醒める頃」「或る少女の死まで」の三篇が収録されています。詩人犀星の美しい感性が織りなす瑞々しい文章と全体に漂うどこか宗教的な雰囲気に魅了されました。

    最も印象的な一篇として「性に眼醒める頃」を挙げたいと思います。小説としての完成度がとても高いと感じました。作品の中に効果的に山が設けられ、読者の感情の昂揚を誘います。自伝的小説とのことでしたが、この作品に関しては完成度の高い創作物を読んでいる気分になりました。

    恋心に眼醒める17歳の少年。芽生えたその思いが、「罪悪感」や「秘密の共有」といった刺激と絡みついて昂ぶりを見せていきます。彼女の雪駄にそっと足を差し入れてみるシーンなどはもうたまりません。作中で全身を火照らせる少年と同じく、読んでいる私の身体まで火照ってしまいました。性的衝動を瑞々しく、見事に綴ってみせた佳篇です。



    sketchbook.jpg


    何者をもその存在する事実は許さなければならない。たとえ盗人でも殺人でも、そうしたものの必然に生れてゆくことを根絶することはできない。ただ、その事実に愛をもてない。喜べない。 234ページ



     室生犀星 『或る少女の死まで 他二篇』 の紹介でした。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。


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    室生犀星, 岩波文庫, 近代日本文学,



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