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2014年年間ランキングトップ20 FINAL

 17, 2015 17:18
 4回にわたってお送りしてきた「2014年年間ランキング」。いよいよトップ5の発表を残すのみとなりました。普段私がどのような本を読んでいるのかを紹介するという意味では、自己紹介代わりにもなったかと思います。では、トップ5の発表です。
※本のコメントは読書記録サイト「読書メーター」に私が投稿したコメントの転載となっております。

2014年年間ランキング

位 ツナグ 辻村深月

ツナグツナグ
(2010/10)
辻村 深月

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最終章に向かっていく構造が素晴らしかったです。それまで機械的に仕事をこなしていたような歩実くんの「思い」が伝わると同時に、死者と生きる者の秘めた「思い」も明らかにされる・・・物語が一気に深まっていきました。 お互いにチャンスは一度きり、そして再会は一晩だけ、終わった後に死者には本当の死が待つ・・・そんな設定は残酷です。そこに収まりきらない思いが物語の外からも溢れ出してくるようで、「思いを伝えること」の大切さを痛感させられます。生きているうちに、会えるうちに。自分の言葉と思いをもっと大事にしたいと思います。

位 ソロモンの偽証 第Ⅰ部 事件 宮部みゆき

ソロモンの偽証 第I部 事件ソロモンの偽証 第I部 事件
(2012/08/23)
宮部 みゆき

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「中学生が、そこまで邪悪になれるものだろうか」(pp641)。この一言に尽きる作品だと思います。一人の中学生の死から巻き起こる波紋が、次々と「悲劇の連鎖」を引き起こしていく壮大な長編です。そのボリュームを生かして描く、何層にも積み重ねられていく「悪意の層の厚さ」が圧巻でした。それを描くからこそ、この文量なのか、と納得させられます。また、終盤で樹里が不気味に笑う場面が印象に残っています。邪悪を詰め込んだような醜い樹里に、個人的にはⅡ部以降で注目です。心の奥底まで鉛が沈んでいくような、そんな読後感でした。

位  夜は短し歩けよ乙女 森見登美彦

夜は短し歩けよ乙女 (角川文庫)夜は短し歩けよ乙女 (角川文庫)
(2008/12/25)
森見 登美彦

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はい、私のニックネームの由来になっているのがこの本です(笑)読書メーターに登録するため、昔(読書メーターを始める前に)読んでいましたが再読。  「おともだちパンチ」は作品序盤に登場します。「なんだ、この人のセンス!?」と驚愕しました。難解で奇々怪々ながらも狂おしいほどに愛おしい(日本語破綻?)森見さんの独特の作風は、誰にも真似できない「遺産」です。  桃色ブリーフ、詭弁論部、森見ワードはいろいろあるんですが、この「おともだちパンチ」が一番好きなのです。その絶妙なニュアンス、読んでいただければ分かります。

位 終末のフール 伊坂幸太郎

終末のフール終末のフール
(2006/03)
伊坂 幸太郎

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「死に物狂いで生きるのは、権利じゃなくて、義務だ」 力強いセリフを引用しました。このセリフが普通に出てきたら、強すぎるというか説教臭いかもしれません。でも、この作品では自然に、すーっと入ってくるんです。小惑星が衝突して、8年後に地球が滅亡すると分かってから5年がたった世界。厭世、絶望が蔓延する中、人々はそれぞれの事情を抱えながら生きる道を選びます。教訓的、啓蒙的な「生きろ」ではなく、「地球全員余命3年」という状況から「死」と表裏一体にして描き出す「生」・・・。まだまだ語りたいのですが、悲しいかな、字数が。

位 博士の愛した数式 小川洋子

博士の愛した数式博士の愛した数式
(2003/08/28)
小川 洋子

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「自分が迷いこんでいた状況の混沌ぶりに比べ、たどり着いた解決の地の、この清らかさは何なのだろう」  素晴らしい作品に出会いました。淡々とした筆致ながらも、温もりと優しさを感じさせる文章。数字のもつ美しさ、数学の楽しさ、丸裸で人を愛することの素晴らしさ・・・。80分しか記憶の持たない博士と、そんな博士に寄り添う親子の姿に心が洗われます。第1回本屋大賞の肩書は紛れもない本物でしたね。  阪神タイガースの描写もよかったです。時代の流れを感じさせるとともに、それぞれのエピソードを印象的にしています。

 いかがでしたか?2014年年間ランキングトップ20の発表が終了しました。3位は私のハンドルネームの由来になっている森見登美彦さん「夜は短し歩けよ乙女」。先ほどは「恋文の技術」のレビューを掲載しました。他の作品も順次掲載していきたいと思います。2位は「終末のフール」。互いにリンクする短編が終末の世界を描く傑作です。そして第1位は小川洋子さん「博士の愛した数式」。本屋大賞も受賞した小川洋子さんの代表作で、心が洗われる作品でした。堂々の1位ランクインです。

 5日前に開館した当館ですが、今日来館者数が10人を超えていました。ちょっと嬉しい(笑)。 今後とも良い記事をお届けしていきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。
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  •   17, 2015 17:18