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座右の銘のはなし

 17, 2015 22:13
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 学校が始まると、「金曜日の夜」の解放感がよく分かります。先月までは春休みだったので、ほとんど曜日感覚がありませんでした。年度始めということもあり、いっそう疲れもたまります。ようやく一息つける、貴重な時間です。

 本を読むペースが遅くなるので、「ブックレビュー」の頻度が減ると思います。その他のコーナーを増やしていこうと思っているので、ぜひぜひ今後もよろしくお願いします。

 今日はコラムのコーナーです。先日新聞で見た、「座右の銘」に関する調査結果から―。



右の銘って、あるのが普通なの?

 皆さん、「座右の銘」はおありでしょうか。

 私はこの質問をされると困ります。「ある」とも「ない」とも言い難いのです。どういうことかというと、「本に影響されてコロコロ変わる」からです。(コロコロ変わるものを普通「座右の銘」とは言わないですよね・・・)

 朝日新聞の記事で、座右の銘に関する調査結果が取り上げられていました。1900人を対象に行った調査だそうです。

 ネットでもアップされていました。
 朝日新聞 2015.3.28

 主要な結果は、以下のようになっています。

座右の銘がある 54% ない 46%

座右の銘はどこから?(トップ3)
・文学作品などの読んだ本から
・小中高校の教師に教わった
・自分で作った

座右の銘はどんな時に役立つ?(トップ3)
・心の支え
・具体的な行動の指針
・人を励ます時

座右の銘がいらない理由は?(トップ3)
・無理に持つものではない
・必要だと感じたことがない
・考えることは日々変わる


 まずはこの調査結果から感じたことを書きたいと思います。

 プロフィール欄に、よく「座右の銘」の項目があります。子供の頃から、私はいつも頭を悩ませていました。空欄にするのは何だか味気ない気がして、何か書こうと苦心していたのです。しっかりとした座右の銘などありませんでしたから、書いていることはいつもバラバラだったと思います。小中学生の頃は、そんなに難しい言葉も知りません。どうしても定番なものになります。

「一生懸命」(定番!)
「継続は力なり」(超・超・超定番!)

 たいして思い入れもない言葉を無理矢理書いていたのは、今から思うと何だか馬鹿らしいことです。この調査の結果では、座右の銘があるという人は全体の半分を少し上回るくらい。無理に持とうとする必要は全くなかったようです。

 座右の銘の出所が、1位が本、2位が学校の先生というのは私にとって納得の順位でした。私は本好きなので本から受ける影響が圧倒的に大きいです。学校の先生の言葉も、強く覚えている言葉がいくつかあります。

 それにしても3位が「自分で作った」とは驚きです。私には座右の銘をこしらえようという発想など全くありませんでした。自分の発想力のなさを痛感します。それにしても、他の人の「手作り座右の銘」とは気になります。ぜひ聞いてみたいものです。

 座右の銘が役立つ理由も、大体予想通りです。私が響いたのは、座右の銘がいらない理由のほうでした。「無理に持つものではない」とはその通りですね。私はどうして無理に持とうとしていたのでしょう?世の中の半分の人は持っていないと知った今は、そんな強迫観念はなくなりました。

 第3位の「考えることは日々変わる」というのは、まさに私のようなタイプです。コロコロ考えが変わって、座右の銘が定まらないということでしょうか。「コロコロ変わる座右の銘なんて・・・」と思う方もおられるかもしれませんが、私はこれはこれで正直な、一つのあり方だと思っています。

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 別になくてもいいんじゃない、と思いつつも、やはり座右の銘を持った人は芯の通った生き方ができるものだと思います。自己紹介で座右の銘を話してくださる方がいますが、本当に誇らしそうで、先程の調査結果にあったように、「心の支え」になっているように見えます。自分の心の支えになるようなことばが何か一つ見つかればいいな、と最近思うようになったところです。

 いろいろな本にすぐ感化されるタイプなので、なかなか定まるところを知りません、そんな中、真っ先に思い浮かぶ言葉もあります。座右の銘というより、「好きな言葉」という感じになるのですが。

智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ。兎角に人の世は住みにくい。


 ご存じ、夏目漱石の「草枕」の有名な冒頭文です。私の大好きなシリーズ、「神様のカルテ」の主人公の一止さんも夏目漱石に傾倒していて、この言葉が効果的に使われていました。

 一言で言えば、人生そのものだなという感じがします。自分がなかなかうまくいかない時にその原因を考えると、「智に働く」か「情に掉さす」か「意地を通す」か、必ずどれかに当てはまるような気がします。(掉さす、とは逆らうではなく流れに乗るという意味です。「情に掉さす」は「感情に流される」という意味になります。他の2つは文字通りです)

 どちらかと言えば、私は「意地を通す」が多いタイプです。この言葉の普遍性には本当に驚かされます。「人生とは何?」と聞かれたら、この言葉をそのまま返してもよいくらいです。人間社会の煩わしさを、見事に言い当てています。

君の意見に賛成できないが、君が意見を述べる権利は死んでも守る



 私の好きな言葉その2はこれです。フランスの小説家・思想家、ヴォルテールの言葉です。自分と対立する意見の持ち主が現れた時、私の頭にはいつもこの言葉が浮かびます。いわゆる、「表現の自由」の大切さを説いた言葉です。

 自分と対立する意見、特に根本から分かり合えないと思う意見が現れた時、なかなか対応が難しいところです。意見が違えば違うほど、すぐさま「否定」に走りたくなります。否定のほかにも、見下したり、軽蔑したり、無視したり・・・。なかなか真正面からは対応できないものです。

 この言葉をワンクッションにすると、私はとりあえず頭を冷やすことができます。「そうだ、意見を述べる権利は誰にでもあるのだ」と冷静になります。

 自分の意見が言えない時代が、世界には、そして日本にも、ほんの少し前まで存在していました。その意見を口にしようものなら、即処刑台、そんな時代です。そういった時代のことを考えると、この言葉の重みが分かります。「死んでも」という箇所には、並々ならぬ決意を感じることができます。
 
 ネット社会で、誰もが意見を述べることができるようになりました。ですが、「自由に意見が述べられるようになってよかった」というわけにはいきません。相手の人権まで否定するような言葉が飛び交い、意見とはいえないものも多々ある状況では、とても「表現の自由」とは言えません。今こそこの言葉なのかな、と思います。相手の意見を尊重したうえで、真正面から受け止める。簡単そうで、難しい言葉です。

 好きな言葉、ということでこの2つが浮かびました。これが「座右の銘」になるのかは微妙ですが、私にとっては一生忘れることのできない大切な言葉です。

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右の銘はなくても普通ですが、持っていれば大きな「心の支え」になります!

 本を読んで印象に残った言葉はいつも書き留めています。その中で、人生を変えるような、、そんな言葉にいつか出会えたらな、と思います。「自分で作る」というのも楽しそうですね。
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  •   17, 2015 22:13