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  • 本屋大賞の「当たり年」は?

     18, 2015 21:31
    コラム

     ずいぶん時間がたってしまいましたが、先日「本屋大賞」が発表されました。実は私は、2か月ほど前に本屋大賞に関するコラムを書いたことがあります。

    「本屋大賞」は読まずに当てられるのか

     これは、本屋大賞に関する批判について取り上げたコラムです。本屋大賞が発表された後、このコラムへのアクセスが少しありました(現在人気記事ランキング第3位です)。

     「本屋大賞 批判」というワードで検索して来られる方が多かったようです。検索してみるとこの記事は検索結果の2ページ目といい位置にありました。

     割と注目された記事だったので、今日は続編です。本屋大賞の問題点について考えた前回とは異なり、今回は「本屋大賞の当たり年」について書いてみようと思います。



    たり前ですが、玉石混交!
     
    これまでの本屋大賞

     さて、記事を書くにあたり、これまでの本屋大賞受賞作品およびノミネート作品を見てみました。私がこれまでに読んだことのある作品はその中で3割ほど、といった感じでした。

     このブログでレビューを書いた作品にしぼると、8冊ありました。私がこれまで書いたブックレビューは全部で37冊です。そのうちの8冊ですから、私のブログのブックレビューに占める「本屋大賞率」は約22%ということになります。あまり何かに影響されるということはなく、自分の好きな作品をバランスよく読んできたつもりでしたが、こうやって振り返ってみると本屋大賞のノミネート作品とは結構かぶっています。それだけ、一般受けがよく、私を含め誰にでも好まれる作品が多くノミネートされている、ということでしょうか。

     作品の並びを見ていて思ったのは、ランキングの順位は全くあてにならない、ということでした。「この作品が、あの作品より上の順位!?」と思わず目を疑ってしまう箇所がいくつもありました。

     おそらく、順位は厳密に決められたものではないのだと思います。同じ作家さんが複数回ノミネートされることはたくさんあっても、複数回大賞を受賞したことはありません。また、他の賞との兼ね合いもあると思います。例えば、今年の本屋大賞で2位となった西加奈子さんの「サラバ!」は直木賞受賞作品です。もともと、「直木賞とは別のコンセプトの賞を!」という目的で創始された本屋大賞ですから、直木賞と同時受賞などということはまずありません。

     要するに、様々な大人の事情がある、ということだと思います。(これは本屋大賞に限ったことではありませんが・・・)

     そこで、今回はそういった大人の事情は排して、私から見たおすすめ作品、というスタンスで紹介したいと思います。とてもいい本がノミネートされているなと思った2つの年をピックアップしたいと思います。名付けて、「本屋大賞の当たり年」です。(あくまで私の主観になるのですが・・・)

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    <その1 第4回 2007年>

     この年のトップ5です。どうしてこんないい本が固まったの!?というような、私にとっては豪華すぎる組み合わせ。

    1位 「一瞬の風になれ」 佐藤多佳子さん
    2位 「夜は短し歩けよ乙女」 森見登美彦さん
    3位 「風が強く吹いている」 三浦しをんさん
    4位 「終末のフール」 伊坂幸太郎さん
    5位 「図書館戦争」 有川浩さん



     何がすごいかというと、「図書館戦争」が5位にいるということです。

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    (2011/04/23)
    有川 浩

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     「図書館戦争」は有川さんの代表作です。そして、「本を読む自由」をテーマにしているので、本屋大賞を選ぶ書店員さんたちのウケが大変良い作品だと思います。本屋大賞で1位をとっていても全くおかしくなく、むしろとっていて当然ともいえそうですが、この作品は5位でした。

     それほど、上位にある作品が素晴らしいということです。「夜は短し・・・」は、森実さんのこちらも代表作で、その才能がギュッと詰まった1冊です。私のハンドルネーム、「おともだちパンチ」はこの作品からいただいています。

     「終末のフール」は私が伊坂さんの作品の中で1番好きな1冊。地球が滅びるという特殊な状況の中で繰り広げられる短編集で、その雰囲気が抜群です。もちろん、伏線の要素でもお見事でした。そして、「風が強く吹いている」と「一瞬の風になれ」は共に青春スポーツ小説。同じ分野の小説の中では群を抜いていると思います。この2つが同じ年にランクインとは豪華すぎます。

     そんなわけで、奇跡のような並びになった年でした。ここにある5冊はすべておすすめです。読んだことがない本がある方は、ぜひチェックしてみてください。期待は裏切らないと思います。

    <その2 第7回 2010年>

     2007年に負けじと、こちらも豪華な組み合わせ。私が読んだ本は5冊中4冊ですが、その4冊は自信をもっておすすめできる顔ぶれでした。

    1位 「天地明察」 冲方丁さん
    2位 「神様のカルテ」 夏川草介さん
    3位 「横道世之介」 吉田修一さん
    4位 「神去なあなあ日常」 三浦しをんさん
    5位 「猫を抱いて像と泳ぐ」 小川洋子さん



     「横道世之介」以外は全て読んだのですが、どうしてこんなにいい本が固まっているのでしょう・・・。当たり年というのは本当にすごいです。

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     私がブログで紹介した作品も2冊ありました。それぞれ、三浦しをんさんと小川洋子さんの「らしさ」を存分に味わえる1冊です。他にも、このブログで何度も取り上げている「神様のカルテ」が2位で、冲方丁さんの「天地明察」が1位と、この年は私にとって思い入れのある並びです。せっかくですから、「横道世之介」のほうも読んでみたいと思います。

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    たりはずれの激しい本屋大賞。ですが、本を読むきっかけにはよい賞だと思います。

     世間的に有名な本が多いので、本好きな方と話をするときに話が合いやすいという面もあります。良い本と出会える賞ということは間違いありませんが、あまりに信頼しすぎず、1つの参考として眺めるくらいがよいと思います。

     先日私が図書館から借りてきた小説2冊も、調べてみるとどちらも本屋大賞にノミネートされていた1冊でした(知らずに選んだのですが、やはりある程度有名な作品を選ぶと本屋大賞の可能性が高いですね)。今後のレビューで紹介する予定なので、どんな本が登場するのか、どうぞお楽しみに!
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